計量言語学の観点から見た語彙研究(<特集>語彙研究の新分野)
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概要
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本稿は,計量言語学の観点から語彙研究を展望し,今後の語彙研究で必要となる点を指摘するものである。テキストを対象とした計量的な語彙研究を概観すると,異なり語数的なアアローチが多く,延べ語数的なアプローチが不十分である。それは,大規模な語彙調査が国立国語研究所とNHKだけで行われている現状を反映している。今後は,計算機を用いることで個人でも語彙調査が可能になっていくので,延べ語数的アプローチが多くなることを期待する。多人数調査による計量的な語彙研究の面では,簡単な手法を用いたものや,数量化の諸手法など「データから何かを探ろうとする」アプローチが多く,仮説検証的な実験法によるアプローチがほとんどない。今後は,この方面の研究が多くなることが必要である。
- 日本語学会の論文
- 2002-01-01