SDMA方式に適したトレーニング信号の初期検討

概要

論文の詳細を見る
近年、携帯電話やPHS等の移動通信システムの周波数利用効率を向上させる手段として空間分割多元接続(Space Division Multiple Access)方式が注目されている。しかし、SDMA方式においては常に同一チャネル干渉を除去する必要があるため、どのような伝播環境においても、多重されている信号を安定的に分離できることが重要である。本報告ではアダプティブアレイを用いてユーザ分離を行うSDMA方式に適したトレーニング信号について検討する。SDMA方式に適したトレーニング信号としては同期推定性能、干渉除去性能の面より信号パターン自身の自己相関特性が優れ、各パターン同士の相互相関特性が低いことが望ましい。PHSシステム既存のトレーニング信号に加えて上記の条件を満たすような新たなトレーニング信号を算出し計算機シミュレーションにて効果を検証した。その結果、選択したトレーニング信号とマルチビームSDMA基地局の組合せでは十分な分離特性が得られることが分かった。
社団法人電子情報通信学会の論文
2002-04-12