反復性肩関節脱臼患者に対する高速域での肩関節等速性筋力測定の重要性について

概要

論文の詳細を見る
反復性肩関節脱臼と診断されたスポーツ選手を対象に, 肩関節における低速域から高速域までの等速性筋力を測定し, 高速域での筋力測定の有用性を検討した。対象は, スポーツ疾患群として, 肩関節の術前スポーツ選手13名, 健常群として, 肩関節に既往のない健常者12名とし, 等速性筋力測定装置(Biodex Multi-Joint System)を用いて, 肩関節外転90°, 肘関節屈曲90°での肩関節内外旋運動(以下2nd内外旋)と, 前額面上における肩関節外旋位, 肘関節伸展位での肩関節内外転運動(以下内外転)を, 角速度60°/sec, 180°/sec, 360°/secにて測定した。結果, スポーツ疾患群の2nd内旋筋力がすべての角速度で有意に低下しており, その内外旋筋力比から回旋筋群の機能低下が推測された。また, 内外転運動において, 60°/sec, 180°/secでは筋力低下が認められなかったが, 360°/secでは外転および内転筋力の両者に有意な低下が認められた。トルク値を体重で除したトルク体重比においても, 180°/secでは外転筋力のみ筋力低下が認められ, 360°/secでは外転および内転筋力の筋力低下が認められた。以上より, 高速域での筋力測定により, 従来の低, 中速域での測定では健常者とほぼ同等の筋力を発揮できるものの中にも, 高速域では筋力低下を示す者がいることが示唆された。
2005-04-20

反復性肩関節脱臼患者に対する高速域での肩関節等速性筋力測定の重要性について

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク