フッ化ジアンミン銀溶液塗布による乳臼歯隣接面う蝕予防効果に関する研究
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概要
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上下顎乳臼歯隣接面にう蝕のない3歳児184名の乳臼歯隣接面部を左右でマッチングし,無作為抽出した片側に3歳と3歳6ヵ月の2回38%フッ化ジアンミン銀溶液の予防的な塗布を行い,4歳6ヵ月まで追跡して予防効果を検討した。また,3歳及び4歳6ヵ月時点で生活習慣等の調査を行い,それらの結果と乳臼歯隣接面う蝕の発生及びフッ化ジアンミン銀溶液塗布の効果との関連性を検討して,次のような結果が得られた。1)エナメル質に粗造感のある病変を含めた場合のう蝕抑制効果率は上顎41.0%,下顎37.9%で,いずれの抑制効果も0.5%以下の危険率で有意であった。明らかなう窩の認められる病変のみを対象としたう蝕抑制効果率は上顎50.0%,下顎54.2%であるが,下顎のみ5%以下の危険率で有意であった。2)3歳時点で「甘味菓子の摂取頻度が高い者」はう蝕発生の危険度が高いが,塗布によるう蝕抑制効果率も高く予防処置が効果的であった。3)3歳時点で乳臼歯隣接面部以外に「う蝕のある者」では乳臼歯隣接面う蝕発生の危険度が高いが,「う蝕のない者」に比べるとう蝕抑制効果率は低かった。4)4歳6ヵ月における調査で,「歯磨剤の使用が1年以上の者」はう蝕発生の危険度が低くう蝕抑制効果率は高かった。また,「毎日親が歯磨きをする者」ではう蝕抑制効果率が高く,予防処置後も毎日の歯の清掃や歯磨剤使用が塗布の効果を増大させる結果が得られた。
- 有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
- 1996-01-30
著者
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