妊産婦の口腔環境変化に関する疫学的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
母子歯科保健の一環として実施されている妊産婦歯科保健活動をより効果的に展開するための基礎的研究を行った。妊娠期間中と出産後に健診を実施した初妊婦38名を対象として,コホート研究を行い,時系列的に口腔内環境の評価を行った。その結果,1)妊産婦の口腔環境は,出産後の状況に比較して,妊娠期間中では悪化する傾向を示した。2)PMA indexと咀嚼時混合唾液緩衝能においては,妊娠期間中と出産後の間に有意な差がみられた。3)妊娠期間中に唾液pHの低下がみられた被験者の口腔環境は,変動しやすく悪化する傾向がみられた。妊娠期間中の口腔環境の変化として,う蝕の発生に抑制的な働きをする唾液の機能低下がみられた。また,妊娠期間中に唾液pHの低下がみられる者では,う蝕に対する感受性が高まり,歯肉の炎症も顕著に発現し,出産後に有意に改善する傾向が強くなることも示された。以上の結果から,妊産婦の歯科保健指導を行うにあたって,診査項目の1つとして妊娠中に唾液pH測定を行うことは,妊婦の口腔環境を判別し,う蝕や歯周疾患の予防に対しての有効な保健指導を実施する手段として有用であると推察された。
- 1997-01-30
著者
関連論文
- 女子高校生へ提案する生活習慣改善プログラムの基礎資料
- Muramyl dipeptideのCD14を介する細胞情報伝達系
- Retinoic acid は骨芽細胞の Sphingoshine-1-phosphate 誘導性転写因子AP-1を抑制する
- TGF-βは骨芽細胞のNFk-Bを介するTNF-α誘導性iNOS発現を抑制する
- 骨芽細胞における sphingolipid 経路を介するRAR/RXRの発現機構
- Ceramide による破骨細胞の骨吸収抑制作用とその情報伝達系
- 1α-25(OH)_2D_3は genomic action により骨芽細胞のTGF-β誘導性AP-1活性を増強する
- 骨芽細胞のCD14を介するLPSの情報伝達機構
- マクロファージ様細胞RAW 264.7細胞においてTGF-βはNO誘導性アポトーシスを相乗的に増強する
- アンケート調査による児童生徒の生活習慣と口腔の状況
- 安全教育によるマウスガード装着率の向上について
- Butylhydroxyanisole二量体によるPorphyromonas gingivalis線毛刺激NF-κB活性化と炎症性サイトカイン発現の調節作用
- 炎症性サイトカインは歯肉上皮細胞からのCAP18の産生を誘導する
- 歯周病原細菌 P. gingivalis の骨芽細胞への細胞内侵入能とその意義
- 口臭原因物質メチルメルカプタンは macrophage 様細胞 Raw 264.7 細胞におけるNO誘導性アポトーシスを抑制する
- 歯周病原性細菌 P. gingivalis の上皮細胞内侵入による prostaglandin 合成酵素 cyclooxygenase-2 誘導作用
- 妊産婦の口腔環境変化に関する疫学的研究
- デキストラナーゼ配合洗口剤の歯垢付着抑制効果
- デキストラナーゼ配合洗口剤の歯垢抑制効果
- 酪酸はマクロファージ様Raw264.7細胞の一酸化窒素(NO)誘導性アポトーシスを抑制する
- Porphyromonas gingivalis線毛はマクロファージのβ_2-integrinのβ鎖を介しで情報伝達を誘導する
- 大学生の口腔領域におけるスポーツ外傷とマウスガード装着の影響について
- マクロファージ様細胞株RAW264.7細胞におけるtransforming growth factor-β1による一酸化窒素誘導性アポトーシスの増強効果
- マウスマクロファージ様細胞株RAW264.7細胞における一酸化窒素誘導性細胞死に対する酪酸の抗アポトーシス作用
- マクロファージ様細胞RAW264.7細胞の一酸化窒素誘導性アポトーシスに関するCpG DNAの抑制作用機構の解析
- 口腔ケアと地域ネットワーク(9)埼玉県における口腔ケアと地域ネットワークの推進
- 口臭原因物質メチルメルカプタンによる口腔上皮細胞様細胞KB細胞のネクローシス誘導作用とその意義
- EBMでする口腔ケア(最終回)口腔を感染から守る生体防御機構とその意義
- EBMでする口腔ケア(14)知歯や歯根の病気が原因となる重篤な感染症
- EBMでする口腔ケア(13)易感染者とヘルペス感染症
- EBMでする口腔ケア(12)内因感染と顎放線菌症
- EBMでする口腔ケア(11)口腔カンジダ症
- EBMでする口腔ケア(10)口腔ケアとバイオフィルム--口腔ケアにおけるバイオフィルム除去の重要性
- EBMでする口腔ケア(9)生活習慣病としての歯周炎--歯周炎のリスクファクター
- Porphyromonas gingivalis線毛はマウス単球性骨髄性白血病細胞株M1細胞のアポトーシスを抑制する
- CpGDNAはマクロファージ様Raw264.7細胞の一酸化窒素(NO)誘導性アポトーシスを抑制する
- 成人性歯周炎患者GCF中のフィブロネクチン量とその病態との関連性
- P. gingivalisは線毛を介して口腔上皮細胞に侵入しIL-6の発現を誘導する
- 歯周病原細菌 Porphyromonas gingivalis の67kDa線毛を介した口腔上皮細胞内侵入によるIL-6誘導作用
- P.gingivalisの口腔上皮細胞内侵入により誘導されるIL-6の情報伝達機構の解析
- TGF-βはマクロファージのLPS誘導性JNK/SAPK活性を抑制しAP-1を阻害する
- 歯肉線維芽細胞のmonocyte chemoattractart protein-1レセプター(CCR2B)の発現とその意義性について
- 歯周疾患の危険因子としての肥満に関する研究-飽食因子leptinはマクロファージのリポ多糖誘導性cyclooxygenase-2遺伝子を抑制する
- Porphyromonas gingivalis線毛はマクロファージのβ2-integrinのβ鎖を介して情報伝達を誘導する
- EBMでする口腔ケア(4)口腔内細菌と感染性心内膜炎--口腔内レンサ球菌による全身疾患への影響
- EBMでする口腔ケア(2)口腔内細菌とデンタルプラーク--デンタルプラークとは何か?
- 加熱温度によるマウスガード適合性に関する研究
- 炎症性サイトカイン TNF-alpha と IFN-gamma の協同刺激による口腔上皮細胞様細胞KB細胞のアポトーシス誘導作用
- 高う蝕経験者と低う蝕経験者における口腔内環境因子の比較について
- 口腔内環境因子の階層構造に関する研究その2:グルコースクリアランステストに始まる階層構造について
- 2〜3の唾液要因と歯周疾患の状態について
- 年齢別にみた喪失歯数の変化に関する研究-その2 二回微分法を用いて-
- 成人期の咬合状態と生活体力に関する研究
- 中学生におけるマウスガード装着に関する研究
- EBMでする口腔ケア(8)糖尿病と歯周炎の密接な関係
- マクロフアージ様細胞 Raw264.7 細胞における一酸化窒素 (NO) 誘導性アポトーシスに関する CpG DNA の抑制作用
- 歯周病原細菌 P.gingivalis の口腔上皮細胞内侵入による IL-6 誘導作用の情報伝達機構の解析
- EBMでする口腔ケア(7)歯周炎の原因細菌による動脈硬化への影響
- EBMでする口腔ケア(6)肺炎のリスクファクターとしての歯周炎
- EBMでする口腔ケア(5)歯周炎(辺縁性歯周炎)とその原因菌のやさしい話
- 妊婦に対する歯科保健指導の効果について
- EBMでする口腔ケア(3)むし歯(う蝕)を起こす細菌の話--子どものう蝕と老年者のう蝕の特徴と原因菌
- 3歳児う蝕有病状況からみた2歳児歯科健康診査の必要性
- The Effect of Mouthguards on the Oral and Maxillofacial Injury
- P-83 Porphyromonas gingivalis線毛による単球様M1細胞のアポトーシスの阻害作用に関するtyrosine kinaseの役割(ポスター)