PTMC後8年目で弁置換術となった僧帽弁再狭窄症に心房中隔穿孔遺残を認めた1例
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概要
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症例は63歳, 女性.8年前, 僧帽弁狭窄症(MS)に対し経皮的僧帽弁交連裂開術(PTMC)を施行されていた.今回, 僧帽弁狭窄兼閉鎖不全の進行に加えて心房中隔での左-右短絡が確認され手術となった.術中所見では卵円窩上縁より右下方3cmに12×8mmの心房中隔穿孔(ASP)を認めた.手術は僧帽弁置換術, 三尖弁輪縫縮術とASP閉鎖を行った.ASPはPTMCに伴う合併症であるが長期的に開存していることは希である.しかし, 長期にわたりASPが遺残した場合は, Lutembacher症候群様の血行動態と2次的な三尖弁閉鎖不全症の進行とも相まって両心不全症状を呈する可能性がある.PTMC後に短絡を認めた場合は心エコー検査で注意深く経過を追う必要があると思われた.
- 特定非営利活動法人日本心臓血管外科学会の論文
- 2005-07-15