開業歯科医師の歯周病診療に対する実態調査と歯周病診療に対する研修会の効果
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概要
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歯周病が多くの人に蔓延しているのは,歯科医師の歯周病に対する知識や技術不足などによるのではないかという仮説を立て,調査を実施した。静岡県内における講演会(6回)と下記の浜松市における研修会(5コース)に参加した開業歯科医師を対象に調査を行った。調査に対して,158名(平均年齢:45.0歳)から回答が得られた。その結果,平成8年に日本歯科医師会が作成した「歯周病の診断と治療のガイドライン」を読んだことがある者は全体の51.9%であった。歯周精密検査で1歯における歯周ポナット測定を,6点法で行っている者が34.8%,4点法が24.1%で,3点法以下が17.7%,無記入が21.5%であった。グレーシーキュレット型スケーラーを番号別に使い分けることができる者は31.0%であった。さらに,地域における歯周病対策の一環として,浜松市内の開業歯科医師を対象に,浜松市口腔保健医療セン夕一の歯科医師が講師となり,歯周病診療の向上を目的とした研修会を行った。研修会は1回約2時間,1カ月間隔の2回で終了する形式で開催し,39名の歯科医師が受講した。研修会によって,歯周組織検査法や歯磨き法,スケーラーの使用法などの技術の向上がみられた。以上のことから,開業歯科医師の歯周病に対する知識や技術が不足している実態が浮き彫りにされ,歯周病診療に対する知識,技術の向上のための再教育は効果があり,その必要性が示唆された。
- 2001-12-28
著者
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