ヒトとラット歯のホープウエル-スミスの透明層と中問セメント質の構造と由来について
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概要
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本研究はラットとヒトの歯を比較観察し,中問セメント質とホープウエルスミスの透明層の構造と由来を明らかにするために行われた。未完成,および完成したヒト歯とラット臼歯の研磨切片とパラフィン切片を作成し光顕で観察した。ラット未完成臼歯では脱灰および未脱灰超薄切片を作成し透過電顕でも観察した。オリジナルの定義に基づいた場合,ラットとヒト歯のいずれにおいても,中間セメント質とホープウエルスミスの透明層は外套象芽質に属した。これは,両組織とも象牙芽細胞由来であることを意味する。ヒト未完成歯では外套象芽質全体が石灰化の遅れを示した。一方,ラットでは,外套象牙質表層の約1μm幅の線維稀薄層のみが石灰化の遅れを示した。線維稀薄層が将来のセメント象牙境となることはすでに確かめられている。線維稀薄層はしばしば中間セメント質あるいは透明眉と呼ばれてきた。この方が場合によってはオリジナルの定義よりもわかりやすいからである。しかしながら,同時に,このような用語の使い方の違いがオリジナルの定義との混乱を生んできた。結論として,本析究は以下の3点を提案する:1) ホープウエルスミスの透明層は外套象牙質と相同のものする。2)中問セメント質という用語はいかなる構造物にも使用しない。3)線維稀薄層を介在接着層と名づける。
- 2000-12-28
著者
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