運動障害児に対する神経発達学的治療の効果 : Meta-Analysisを用いた文献分析
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概要
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この研究では, 運動障害児に対する神経発達学的治療(NDT)の効果について検討した。過去に発表された神経発達学的治療の効果に関する文献をもとにMeta-Analysisを用いて全体としての治療効果の大きさを判定した。Meta-Analysisは過去の研究論文を通してある治療介入の効果を測定する比較的新しい統計学的方法である。その治療介入の効果は, 実験群の平均値からコントロール群の平均値を減算し, その値をコントロール群の標準偏差で除算した数値(Effect Size)によって表される。1985年から1994年の間に発表された研究論文をもとにNDTの長期的治療効果(複数回治療の累積効果)についてのEffect Sizeを算出した(研究1)。更にNDTの短期的治療効果(1回治療の直接効果)について1970年から1994年の間に発表された研究論文をもとにEffect Sizeを算出した(研究2)。研究1および研究2の文献採択基準に合致する論文数はそれぞれ3であった。長期的治療効果のEffect Size(研究1)は-0.21, 短期的治療効果のEffect Size(研究2)は0.69であった。本研究の結果より, 運動障害児に対する神経発達学的治療は, 短期的効果は認められるが, 長期的には他の治療介入と比較してほぼ同等, あるいはわずかにそれらより低い治療効果を示す事が示唆された。
- 社団法人日本理学療法士協会の論文
- 1995-12-31
著者
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