足位の変化が立位バランスに及ぼす影響

概要

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本研究は, 種々の足位変化が立位バランスに影響を与えるという仮説を実証することである。健常な成人10名を対象に, アニマ社製重心動揺計を用いて, 各種足位でのX-Y軸方向の重心動揺距離, 重心動揺面積, X-Y軸方向の重心動揺平均値について調査した。前額面での足位変化は, スタンスの増加が動揺距離, 動揺面積を減少させ, 重心位置を前方に移動させた。矢状面での足位変化は, 前後へのスタンスの増加が動揺距離・動揺面積を増加させ, 重心位置を後方に移動させた。水平面での足位変化は, TOE-OUTで動揺距離・動揺面積共に変化がなく, 重心位置は前方に移動した。逆にTOE-INでは動揺距離が増加している反面, 動揺面積が小さくなっており, 重心位置は前方に移動した。また3平面での各足位でX軸方向の重心位置の変化はほとんどの足位で影響をうけず, さらにほとんどの足位で左側に位置していた。以上より, 足位の変化が立位バランスに大きく影響を及ぼしており, 重要な決定因子であることが判明した。このことから, 臨床的研究を行う時, また荷重位での理学療法を行う時に床面と接する足位に充分に注意を払い進めることが重要であることを示唆した。
社団法人日本理学療法士協会の論文
1992-09-01

足位の変化が立位バランスに及ぼす影響

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