利用者からみた大東市地域リハビリテーション : 利用者アンケート調査の分析
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概要
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1985年大阪府大東市では福祉事務所に理学療法課を設置し(1)0歳から高齢者に至るまでの全ライフステージに応じた地域リハビリテーションの計画と実施(2)行政・民間関係機関との連携と協働(3)市民啓発と参加により地域リハビリテーションを推進している。今回老人保健法に基づく40歳以上の本市リハビリテーションサービス利用者とその介護者に対するアンケート調査を実施し, 事業の評価と今後の課題について検討した。利用者は男性54.7%女性45.3%で男性では60歳代女性では70歳代が多かった。家族構成は核家族の特徴が表れている。ADLは支障なくできるものから全介助の必要な者まで様々な人が利用し, 外出が困難な人が多い。介護者は配偶者が多く, 高齢であり, 女性が多くを占めている。また, 精神的, 身体的に負担を感じている者が多く, 健康状態も6割強の者が良くない。利用者の評価が高かったのは, 気分転換, 仲間づくり, 生活の充実であり, 介護者の評価も気分転換や仲間づくりが出来ることが高かった。今後望むものとして, 送迎と訓練場所の増設と充実であった。今後の課題として, ADLの改善以上にQOLの充実にあり, 双方を視野に納めたシステムの充実を図り, 介護ボランティアグループ「606会」との協働をなお一層強める必要がある。また, セルフヘルプグループなど当事者組織の形成と主体化が望まれる。地域福祉としてのリハビリテーションサービスは, 介護者を包含しつつ展開しなければならないし, 今後益々広く関係機関と連携しながら草の根的に地域リハビリテーションの推進に取り組んで行きたい。
- 1991-09-10
著者
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