切断における理学療法士の専門性の検討 : 切断者におけるPT業務の実態調査を中心として (骨・関節疾患 : 骨・関節疾患における専門性の展望)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
我々理学療法士(以下PTと略)がPTの専門性を追求し, 独自性について考えるにあたり, 他のリハビリテーション医療スタッフ間における業務範囲との関連が重要である。特に, 切断者のリハビリテーション医療では, 1987年5月に義肢装具士法が成立し, 1990年の第3回義肢装具士国家試験の結果, 現在1,479名の義肢装具士(以下POと略)が誕生している。POの業務について, PT, OTと同様な医療職として, クリニックのメンバーとして責任と役割を果たすことが要求されており, 具体的には切断の原因疾患の医学的理解と評価, 処方におけるパーツの決定に対する積極的な意見, 新しく開発されたパーツの紹介, 適応における貢献等であると澤村は述べている。切断者のリハを成功させるためには, 各チームメンバーがそれぞれの専門的知識と技術を発揮し, 切断者の最大限の能力を引き出し, 早期に社会復帰を達成させることである。そのリハチームメンバーの一員であるPTは, 切断前のオリエンテーションから始まり, 術前・術後の身体機能の評価・訓練, 義肢適合チェック, 義肢装着訓練, 歩行訓練, 日常生活訓練, 実社会での適応訓練, フォローアップなどが重要な業務と考えられる。図1は下肢切断者に対するリハ過程と関連するメンバーの役割であり, PTは12のリハ過程において, 資格制度化されたPOと関連して業務を行うことになっており, PTとしての専門性が要求される。そこで, 日本における切断者のリハにおけるPT業務の実態調査を行ったので, その調査結果からPTの業務範囲, 専門性について問題提起をしてみたい。
- 社団法人日本理学療法士協会の論文
- 1991-05-10
著者
関連論文
- 941 膝関節最終伸展域における膝関節回旋について : 膝関節不安定性例との比較(骨・関節系理学療法39)
- 147. 重度障害児の椅座位姿勢に関する研究 (第5報) : DMDの椅座位姿勢にあたえる段差円座の効果について
- 146. ドゥシャンヌ型筋ジストロフィー症児の坐位の問題点と対応策
- 1448 足関節捻挫後遺症が及ぼす動的立位バランス能力への影響(骨・関節系理学療法,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 340. 座位保持装置の効果 : 骨盤側方傾斜角度の変化からの検討
- 121. DMDの経年的椅座位姿勢変化について
- 130. 骨盤側方傾斜角度の段差による変化 : DMD児
- 1220 足趾機能が動的バランスに与える影響(理学療法基礎系39, 第42回日本理学療法学術大会)
- 309. 脳卒中患者の職場復帰に関して
- 307. 在宅片麻痺者の実態調査 : 歩行・ADLの推移を中心に
- 61. 退院後の監視歩行能力の推移
- 60. 脳卒中発症時年齢からみた身体機能回復状況
- 325. 施設内老人の日常生活自立度の推移と寝たきりの原因分析
- 320. 脳卒中後遺症者における「障害に対する自己認識調査」(第2報) : 脳卒中後遺症者とその家族への障害認識調査
- 159. 脳卒中後遺症者における「障害に対する自己認識調査」(第1報)
- 切断における理学療法士の専門性の検討 : 切断者におけるPT業務の実態調査を中心として (骨・関節疾患 : 骨・関節疾患における専門性の展望)
- 250. 老人保健施設における入所者のADLと痴呆スケールの経過とPTの関わりについて
- 216. 脳卒中患者における心的傾向
- 123. 動作解析装置からみた機能的電気刺激の痙性抑制効果について : 片麻痺患者の場合
- 小児下肢切断の理学療法プログラムと義足適応
- SLING EXERCISE THERAPYの効果と臨床応用性(ランチョンセミナーII)
- 筋力測定について, : キンコムの使用経験から
- シ-ティング-3-高齢者のシ-ティング