随意収縮強度別(%MVC)による表面筋電図周波数特性

概要

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本研究の目的は, 下肢の個々の筋で随意収縮強度の違いが筋電図周波数に及ぼす影響について明らかにすることである。対象は健常男性20名(21.9±1.9歳)であった。電極貼付部位は, 中殿筋・大腿筋膜張筋・大腿直筋・外側ハムストリングス, 及び腓腹筋の5筋とした。そして各筋の100・50・25%最大随意収縮での等尺性筋力を測定し, 高速フーリエ変換による表面筋電図周波数解析を行い, 中間周波数を算出した。さらに個々の筋で各収縮強度における積分値を算出した。その結果, 収縮強度を低下させた時の周波数特性は, 中間周波数の上昇(大腿筋膜張筋), 低下(大腿直筋・腓腹筋), そして変化を示さない(中殿筋・外側ハムストリングス)筋の3パターンに分類された。さらに積分筋電図がら, 各筋で筋力値の減少率以上に筋活動量の減少が認められた。これらの結果がら下肢の個々の筋における収縮強度と活動様式の特徴として, (1)個々の筋が占める筋線維type I・IIの割合の違い(速筋系と遅筋系のスペクトル変動の大きさの違い), (2)type I線維に有利に働く運動単位の加重効果, (3)筋力値と筋活動量の曲線的関係などが考えられた。さらに表面筋電図の特徴として, 高い収縮強度では筋電波形の干渉による影響が大きく, 正確な高周波成分定量化の問題が示唆された。
社団法人日本理学療法士協会の論文
1998-11-30

随意収縮強度別(%MVC)による表面筋電図周波数特性

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