情報システム開発にはエンジニアリングが必要(「信頼性, 過去・現在・未来」)
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概要
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大規模システムの構築には,技術的な知識経験が体系化されたエンジニアリングが必須である.IT化の進展で,システムのほとんどはソフトウェアに多くの機能を依存するようになった.その開発は,ハードウェア集約的システムのように有形物を対象としたエンジニアリングだけでは不十分で,プロセスを重視したソフトウェアエンジニアリングを適用する必要がある.にもかかわらず,ルールを守らなくても論理が閉じていれば動いてしまうために,情報システムの開発・保守では,エンジニアリングが極端に軽視されている.また,情報システムは,稼動環境の中に埋込まれるので,環境の変化に伴い絶え間ない変化にさらされ,時間と共に劣化するが,変化に対応するにもエンジニアリングが有効である.大規模システムの開発には,機械,電気,電子,ソフトの広い領域をカバーする能力のあるシステムエンジニアが必要であるが,そのような人材は現在も少ないし容易には育たない.特に,社会的使命を担う情報システムの開発は,システム及びソフトウェアエンジニアリングを身につけたエンジニアが適切な予算の下に行うべきである.
- 日本信頼性学会の論文
- 2003-01-25