泥炭地盤の改良について
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概要
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泥炭は, 一般に植物の遺体が, 低温多湿の条件のもとで多年にわたり分解不十分のまま自然に堆積してできたものであり, 圧縮性が極めて小さく, せん断強さも小さい。本文では, 泥炭の工学的性質, 泥炭と軟弱粘土との比較, 最近まで採用されてきた泥炭地盤改良工法の種類と適用性を表にしてまとめてあり, 次に最近になって採用され始めた深層混合かくはん工法と限定注入工法の特色について, 北海道での施工例を挙げながら述べられている。深層混合かくはん工法としては, 生石灰による深層混合かくはん工法, セメントミルク混合かくはん工法, 赤泥混合かくはん工法, JST工法が紹介されており, それぞれの工法の特色, 処理パイルの強度, 施工時における振動・騒音の測定結果について述べられている。限定注入工法としてはミニマックス工法が紹介されている。本工法では, 原地盤の力学的な改良効果とともに物理的な改良効果も確認されている。したがって, 本工法の処理パイルは, 添加材の自硬性はもとより, 混合された土の物理的性質の改良が相まって強度増加に至ったものと思われる。
- 1983-03-15