砂の液状化強度についての実験的研究 : 間ゲキ圧係数B値の液状化強度に及ぼす影響
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概要
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砂質土の液状化強度を検討するため, 飽和度状態に注目して各条件下で圧密試験及び振動単純せん断試験を実施した。飽和度状態はスケンプトンが提案した間隙圧係数Bを用い, 圧密前後でこのB値が大きく変化することを示したのち, 砂の液状化強度がB値に強く依存していることを実験的に示している。使用した試料は2mm以上の礫及び74μ以下のシルト分を除いた比較的粒径の均一な浅間山砂である。まず, B値の異なる試料を作成し, 圧密試験を行った結果, 圧密前後に発生する間隙水圧に大きな差が認められた。この原因は, 間隙水圧の発生が初期飽和度に強く左右されるためであるとして, それを理論的, 実験的に確かめている。次に, 繰返しせん断応力τ_dと初期有効応力σ_c'の比τ_d/σ_c'を一定にしてB値と初期液状化回数の関係, あるいはB値を一定にしてτ_d/σ_c'と初期液状化回数の関係などを求めるため振動単純せん断試験を行った。その結果, B値が大きいほど, またτ_d/σ_c'が大きいほど, 少ない振動回数で初期液状化を発生するような傾向が得られた。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1979-06-15
著者
-
鈴木 和幸
Soils Laboratory Toa Harbor Works Co. Ltd.
-
半沢 秀郎
東亜建設工業(株)技術研究所
-
松田 栄一
Soils Laboratory, Toa Harbor Works Co., Ltd.,
-
松田 栄一
Soils Laboratory Toa Harbor Works Co. Ltd.
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