ニワトリの消化管におけるmonoamine含有線維と細胞の分布について

概要

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FALCK(1962)およびCARLSO等(1962)によって確立された螢光組織化学法を用いて,ニワトリの消化管(食道・嗜のう・腺胃・筋胃・十二指腸・回腸・直腸・盲腸)におけるmonoamincsの分布を追究し,次の結果を得た.catccholamine含有線維(緑色螢光線維)は,観察したすべての消化管の各部で,小動脈壁・筋層および壁内神経叢に見られた.もっとも顕著な特徴は,消化管のすべての部位で,縦走筋層内の壁内神経叢に強または弱発色のCA線維が存在することであった.更に,十二指腸・回腸・直腸および盲腸の粘膜下組織の壁内神経叢においても,強い緑色螢光が見られた,これらの事実は,従来choline作動性と考えられていた壁内神経叢が,adrcna11ne作動性調節を受けることを示唆する,5-hydroxytryptaminc含有細胞(黄色螢光細胞)は,腺胃・十二指腸・回腸・直腸および盲腸の粘膜層のLieberkuehn腺に分布し,enterochrom親和細胞と一致した.粘膜面1mm2当りの5一HT細胞の数は,直腸が最も多かった.一方,食道・嗜のうおよび筋胃では,5-HT細胞は認められなかった.rescrpine(3mg/kg)処理後4時間と18時間の標本では,catccholamincの緑色螢光は,全て完全に消失したが,5-hydroxytryptamineの黄色螢光は,一部消失せず残存した.
社団法人日本獣医学会の論文
1971-08-25