低酸素圧気体環境の初期ニワトリ胚にたいする催奇形効果 : II. 胚令18日のニワトリ胚に観察された成形異常
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概要
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前報13)において,初期ニワトリ胚にたいする低酸素圧気体環境の催奇形作用を,6日胚について観察した.本報では,各胚令の胚に施す低酸素圧処理条件に,致死率を基準とした一定の生物学的力価を持たせ,各胚令の奇形学的反応性の比較を行ない,さらに胚令18日の胚について,初期胚に施した低酸素圧処理が,後期の器官形成にいかなる影響を及ぼすかを検討した.胚令0.5日より6.0日までの各胚令の白色レグホンの胚にたいして,正常気圧下で,N2および02混合ガスにより,3~8時間の低酸素処理を加えた.処理条件は,胚令18日で50%の生存胚が得られるものとした.胚令18日目に開卵し,外形異常を観察した後,骨格標本を作成し,骨格異常を検索した.得られた結果は次の通りである.1.胚令の進行にともない,低酸素圧気体環境にたいする胚の抵抗性は減弱し,胚令18日目に50%の生存率を得るには,より高い酸素濃度が要求されたくTablcsl,2),2.外形異常として,頭蓋破裂と外脳症が胚令1.0および1.5田こ処理した群に,小および無脳症が胚令2.5~3,5日処理群に,小および無眼球症が1.0~4.0日処理群に,角膜突出・眼瞼欠損・口蓋欠損および外鼻孔異常が胚令3.0~3.5日処理群に,四肢の異常が胚令3.0~4.5日の処理群に,いずれも高率に認められ,奇形学的時期特異性が観察された(Table4,Chart2).3. 骨格系の異常は,胚令1.5~4.5出こ処理した各群に高率に認められた(Table5,Chart3).脊椎骨の異常は,胚令1.5日の処理群では顆椎の頭側に,2.0日処理群では顆椎の尾側より胸椎の頭側部に,′2.5日処理群では胸椎の尾側および腰仙椎の頭側に,3.0日処理群では頚椎と腰仙尾椎に高率に観察された.すなわち3,0日処理群の顆椎の異常を除けば,脊椎骨の異常の所在が,処理した時期に対応して,頭側より尾側に移動する傾向が認められた.これはまた低酸素圧処理を施した時点における体節の分化位置と一致するものであった(Chart.4).四肢骨の異常は,胚令3.0~4.5日処理群に認められた.処理時の胚令が進むにつれて,異常部位が近位部骨から遠位部骨へと移動する傾向が観察された.
- 1969-06-25
著者
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