1時間気温値の加重型有効積算気温を用いた野生ヒエとイヌホタルイの葉齢進展
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
水田の主要雑草である野生ヒエのタイヌビエ, イヌビエ, ヒメタイヌビエおよびイヌホタルイについて葉齢進展の指標となる加重型有効積算気温を, 第2葉の進展速度を基に算出した有効度に読み替えて1時間ごとに積算する手法として開発し, その積算値の一定性を検討した。1. 12℃から360℃まで3℃刻みに設定した陽光恒温器内で, 福岡県産のタイヌビエ, イヌビエ, ヒメタイヌビエおよびイヌホタルイの第2葉の24時間の伸長量を測定した(Table 1)。15℃から36℃までの温度条件下で完全に展開した第2葉の長さに対する24時間の伸長量の比をその温度の葉齢進展への有効度とし, Spline曲線補間法により0.1℃ごとの値を読み取り, その1/24を1時間当たりの有効気温(ε)とした(Table 2-1〜4)。2. 戸外で, 1/5000aのワグネルポットで7回の代かき時期後に出芽したタイヌビエ, イヌビエ, ヒメタイヌビエおよびイヌホタルイでは, 葉齢進展を有効積算気温値(Σ_ε)との関係で表すと, 同値の代かき時期間の変動係数は日数(Σday)より大幅に小さく, また, 日平均気温積算値(ΣT)や日平均気温から10℃を控除した積算値(Σ(T-10))よりは幾分小さかった(Table 3-1〜4)。3. 水田で4回の代かき時期後に自然発生したヒメタイヌビエでは;代かき日から1.5葉期および1.5から2.0葉期までのΣ_εの変動係数は他の積算値より小さく(Table 4), Σ_εの積算値はワグネルポットでの値と同等であった。4. Σ_εは, 気温の1時間値を葉齢進展の有効度に直接読み替えて積算する簡便な加重型有効積算気温として使用できる。
- 1999-10-29
著者
関連論文
- 13 水稲直播栽培における機械除草技術
- 水稲群落内への移植時期を異にするアメリカセンダングサの生育と種子生産
- 91 水稲群落内への移植時期を異にするアメリカセンダングサの生育と種子生産
- コミカンソウ属の新帰化植物ブラジルコミカンソウ(新称)
- 1時間気温値の加重型有効積算気温を用いた野生ヒエとイヌホタルイの葉齢進展
- アンケートによる水田帰化雑草の発生実態
- 九州地域の水田における帰化雑草の発生実態
- スリランカにおける1985年ヤラ期と1985-86年マハ期の水稲の不稔と称される現象について
- 関東
- 68 イネ科多年生雑草の節からの萌芽におよぼす親株の栽培条件と節位の影響
- イネ科多年生雑草の節からの萌芽におよぼす親株の栽培条件と節位の影響
- 水田に発生するイネ科多年生雑草の葉の特徴による同定法と千葉県八千代市での発生状況の調査
- 57 水田のイネ科多年生雑草の種類とシハロホップブチル剤への反応
- 42 数種除草剤処理下でのクログワイ生態型の塊茎生産特性
- 数種除草剤処理下でのクログワイ生態型の塊茎生産特性
- 95 アンケートによる水田帰化雑草の発生実態
- 寒天培地を用いたコナギのスルホニルウレア剤の感受性の検定法
- コナギに対する水稲の抑制力の差の光量子量による解析
- 関東地方の耕起・不耕起乾田直播栽培におけるヒメイヌビエの発生生態の差異と入水前除草剤処理時期の推定指標
- 82 関東地方の耕起・不耕起乾田直播栽培におけるヒメイヌビエの発生生態の差異と入水前除草剤処理時期の推定指標