安全在庫の集中とその配分時期の動的決定方法
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概要
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1つの中央倉庫とm個の地方拠点からなる2段階分枝型在庫システムにおいて, 安全在庫を中央拠点に集中し補充サイクルの適切な時期に各地方拠点に一括して配分することにより欠品を減らせることが知られている.ここで, 安全在庫を配分する時期を平均欠品が最少になるように事前に決め, すべての補充サイクルにおいて固定する方法がある(以下従来法).しかし, 配分の時期を固定すると, 無限計画期間や計画期間内に充分多い補充サイクルが存在する場合には統計的に意味があるが, 一つの補充サイクルだけを取り上げた場合には必ずしも欠品を最小にすることができない.なぜなら各地方拠点における在庫水準の変化が各補充サイクルにおいて必ずしも一致せず, 需要が多い場合には安全在庫を早めに各地方拠点に配分する必要があり, 需要が同じであっても在庫偏在の進行が早い場合には早めに配分する必要があるからである.本研究では, 中央拠点が各地方拠点の在庫水準を毎日モニターできるとし, 各サイクルそれぞれの安全在庫の配分時期を動的に決める方法を提案する.この提案法の有効性を検証するために従来法と平均在庫と欠品数について比較実験を行った結果, 提案法は従来法に比べて同じ水準の在庫で平均欠品を35%以上削減することができた.また, 変動係数, サイクルの長さ, および地方拠点の数が変わるとき, 提案法による欠品削減効果がどのように変化するかを明らかにした.
- 社団法人日本経営工学会の論文
- 2001-08-15
著者
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