硫安および2,4-DがピクロラムのEupatorium adenophorumによる吸収とその除草活性に及ぼす影響
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概要
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Eupatorium adenophorum SPRENG. に対するピクロラムの除草活性を調べ,草丈20〜25cmの植物体に対して25〜100ppmでは枯死に至らなかったが200ppmで枯死またはそれに近い除草活性が示された (第1表)。その時,2,4-Dを200〜800ppmの濃度で同じに与えると除草活性が著しく増加した (第1表)。更に2,4-Dをピクロラムと同時処理,前処理および後処理して調べたが,いづれの処理においても2,4-Dはピクロラムの活性を増加した (第2表)。硫酸アンモニウムも2,4-D以上に促進効果が認められた (第3表)。そこでピリジン環の2位と6位に^<14>Cで標識したピクロラムを用いて,E. adenophorumの葉から取り込みを調べた結果,硫酸アンモニウムはピクロラムの吸収を著しく3〜6倍も増加させたが,2,4-Dはその効果を示さなかった (第4,5表)。また,2,4-DはピクロラムのE. adenophroum 体内における上方,下方移行および代謝に対しても特に大きな変化を与えなかった (第6表)。与えた放射能の90%以上は処理した葉に留ったが,大部分は親化合物のピクロラムであって,他の代謝産物は検出されなかった。硫酸アンモニアのピクロラム活性促進効果はピクロラムの植物による吸収の促進によるものと結論した。2,4-Dの促進効果については明らかとならなかったが,作用点における相互作用を調べる必要がある。
- 1990-07-27
著者
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