パラコート抵抗性のハルジオン
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概要
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1、埼玉県吹上町の荒川河川敷の桑園において,パラコートに対し強い抵抗性をもつハルジオン群落をみいだした。2、これら抵抗性個体とパラコートの散布歴のない場所から採集した感受性個体を素焼鉢に養成し,パラコートとジクワヅトを処理した。その結果,感受性個体はパラコート成分量0.5 kg/h・処理で地上部はほぼ枯死したのに対し,抵抗性個体は2kg/ha処理では無処理区と有意差がない程度の地上部重を維持し,16 kg/h・処理でも完全枯死には至らなかった(Fig.1)。3,パンチで打抜いた葉片ディスクをパラコート溶液に浸して,パラコートの濃度と葉色の退色程度との関係を検討した。その結果,感受性のものは1ppmで48時間後には葉片面積の4/5程度褐変したが,抵抗性のものは10ppmでも緑色を失うことがなく,100ppmで部分的に褐変退色が起った(Fig.2)。以上の2,3の実験から抵抗性個体を感受性個体と同程度枯殺するためには,50〜100倍のパラコート濃度を必要とするものと推察された。4,昭和56年3月時点では,当該地域の桑園経営農家は48戸であった。これらを対象としたアンケート調査の結果(回答数38戸)によれば,パラコート使用開始は8〜11年前で当初は年2〜3回の散布であったが,最近では年3〜4回散布に増加している。そして,抵抗性ノ・ノレジオンの出現に気づいたのは3〜5年前であったと答えているものか76形を占めた(Tab1e 2)。
- 日本雑草学会の論文
- 1982-05-26
著者
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