水稲乾田直播栽培におけるpropanilとbenthiocarb混用処理の実用化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
水稲の乾田直播栽培におけるpropani1とbenthio-carbとの混用処理について検討し次の結果を得た。1.処理適期を知るため雑草の発生消長について調査した。雑草の発生は早播(低温)ほど長期間,晩播(高温)ほど短期間に終わるが,水稲との関係でみると,播種期のいかんにかかわらず,おおむねノビエ(イヌビエが主体),メヒシバは水稲の1.5葉期,アゼガヤは2葉期,カヤツリグサ,広葉は3葉期にそれぞれ発生終期に達した。このうち,ノビユは土壌の乾湿による発生消長の差が少なく,発生の早い群は水稲より1〜2葉生育が進み,個体重も重く(早播ほど差が顕著),防除上最も留意すべきであった。2.Propani1と各種土壌処理型除草剤(X-52,NIP,TOPE,mo1inate,SAP,amiprophos,MCC,ben・thiocarb)を混用し,水稲の2葉期に処理した結果,benthiocarbとの混用が最もすぐれた。その薬量はpropanil17.5g/aとbenthiocarb50g/aとの混用(以下D+Bと略記)で効果がほぼ最大限に達した。3.D17.5g/a+B50g/a処理は,処理後1時間程度無降雨であれば十分な効果を発揮し,また粒型殺虫剤(エチルチオメトン,ジメトエート)との近接散布害は認められなかった。4.D+Bの処理最適期は水稲の1.0〜1.5葉期であった。しかし,この一回処理だけでは高濃度(D35g/a+B75g/a)を処理しても完全な抑草を図ることは困難であった。ところが,水稲の1〜1.5葉期にD20g/a+B50g/aを処理し,さらに湛水前(水稲3・5〜4・5葉期)にD20g/a+B30g/aを処理する体系でば,雑草多発田でも全期間のほぼ完全な抑草が可能であった。この二度目の処理で薬害はかなり大きいが,結果的に過繁茂を防止し,籾わら比率を高め,手取除草区より増収した。5・混用処理(D+B)を1972年.より兵庫県で普及に移したが,県下16か所で行った展示ほの成績も含め,結果はすべて良好であった。
- 1975-02-15
著者
関連論文
- 水稲乾田直播栽培におけるpropanilとbenthiocarb混用処理の実用化
- 水稲に対する B 995 の倒伏防止効果について (第139回講演会)
- 11. 兵庫県における水田雑草の発生状況について
- 50. 水稲乾田直播栽培における雑草の発生時期と雑草害
- 53. 水稲乾田直播栽培におけるPropanil+Benthiocarbの実用化
- 除草剤MCCの水稲に対する茎葉処理の薬害について
- 水稲乾田直播栽培におけるMCCの処理適期について
- 27. 除草剤MCCの水稲・タイムビエに対する茎葉処理の作用性について
- 26. 水稲乾田直播栽培における除草剤MCCの水稲の生育時期および雑草の発生消長からみた処理適期について