牛の採食による雑草種子の伝播に関する研究 : 第1報 粗飼料-牛-糞の過程を径た雑草種子発芽力
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
糞尿を散布した牧草畑に発生する雑草の種子を乳牛に給与し,排出された糞内雑草種子の発芽力について検討した。あわせて,上記牧草畑の雑草調査を行なった。1)洗滌した生糞から得られた雑草種子の発芽数は,各供試種子5,000粒当り,イヌビユが2,635粒(対照区比64%),メヒシバカミ1,290粒(対照区比32%),イタリアンライグラスが1,523粒(対照区比32%)であった。2)上記の発芽数を排糞目別にみると,3草種とも排糞2日目の試料からの発芽が最も多く,排糞5日目からの発芽が最も少なかった。3)糞をビニールノハウス内で1ヵ月間乾燥させた後,発酵糞内埋蔵,糞尿槽投入を行ない,それら試料について発芽試験を実施した。1ヵ月間の乾燥により,3草種とも発芽数は洗篠した生糞にくらべ低下した。さらに発酵糞内に埋蔵することにより,全草種が発芽力を失った。糞尿槽への投入により,イヌビユ種子の発芽カはほとんど影響を受けなかったが,メヒシバ,イタリアンライグラスの発芽数は乾燥糞にくらべ減少した。4)糞尿を散布した牧草畑ではイヌビユの発生が多く,牧草刈取時には結実し,収穫物中に多量の種子を含有した。糞尿を散布しない牧草畑ではメヒシバが糞尿散布畑のイヌビユと同様な種子の伝播をもたらした。本研究遂行に当っては,当場畑作部作業体系第1研究室中山兼徳室長,同作業体系第2研究室池田弘室長,同家畜導入研究室高橋英伍室長の御指導,御教示をいただき,また,土壌分析に当っては,畑土壌肥料研究室諸岡 稔主任研究官の御協力をいただいた。ここに感謝の意を表する。
- 日本雑草学会の論文
- 1975-02-15
著者
関連論文
- "Weed Science"第21巻の内容紹介
- "Weed Science" 第20巻の内容紹介
- "Weed Science"第19巻の内容紹介
- "Weed Science"第18巻の内容紹介
- ネナシカズラ類の発生と被害の実態
- 主要畑雑草種子の土中における生存年限について
- 麦間作の落花生畑における除草法
- 麦間作の陸稲畑における雑草の発生相とその防除について
- "Weed Research"第11巻の内容紹介
- "Weed Research" 第13巻の内容紹介
- "Weed Research" 第12巻の内容紹介
- "Weed Science" 第25巻4〜6号の内容紹介
- "Weed Science"第25巻1〜3号の内容紹介
- "Weed Science"第24巻4〜6号の紹介
- "Weed Science"第24巻1〜3号の紹介
- "Weed Science" 第23巻4〜6号の紹介
- 牛の採食による雑草種子の伝播に関する研究 : 第1報 粗飼料-牛-糞の過程を径た雑草種子発芽力
- "Weed Research" 第15巻1〜3号の内容紹介
- "Weed Science" 第23巻1-3号の紹介
- "Weed Research"第14巻1〜3号の内容紹介
- "Weed Science"第22巻4〜6号の紹介
- "Weed Science"第22巻1〜3号の紹介
- "Weed Research"第10巻の内容紹介