BENTAZONの作用特性 : 第1報 殺草効果におよぼす諸要因
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概要
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Bentazonの水田除草剤としての作用特性,および殺草効果に影響を与える諸要因を検討し,次の結果を得た。(1) 43種類の水田雑草に対して生育期湛水土壌処理効果を調べた結果,イネを含むタイヌビエ等のイネ科植物,シャジクモ,アオミドロ等の藻類が薬剤耐性であり,その他のほとんどの雑草,特にミズガヤツリ,ウリカワ,クログワイ,ヘラオモダカ等の多年生雑草は薬剤感受性であった。そして薬剤耐陛と感受性植物間の選択性の幅は極めて大きかった。(2) 処理法としては,茎葉処理,湛水土壌処理とも有効であったが,殺草効果は茎葉処理がやや覆った。(3) ミズガヤツリでは,発生前後および8葉期以後に処理すると効果が弱かったが,1.5〜3葉期の薬剤処理で感受性が高かった。(4)ミズガヤツリ,ウリカワの塊茎形成期前に薬剤処理すると塊茎形成は抑えられたが,形成された塊茎の発芽を阻害する作用はみられなかった。(5) ミズガヤツリ,ウリカワに対する土壌処理による殺草効果は,畑条件では土壌水分が高いほど大きかった。(6) ウリカワに対ずる漢水土壌処理効果は,浅水条件の方が深水条件よりも高かった。(7) 殺草効果は漏水が多くなるほど低下し,漏水の影響は大きかった。また,処理後の温度については,高温条件の方が低温条件よりも殺草果効が高かった。(8) イネヘの薬害は,湛水土壌処理では極めて小さいが,茎葉処理では苗が小さいと多少でやすい傾向がみられた。
- 日本雑草学会の論文
- 1974-03-25
著者
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嶺 昭彦
Pesticide Research Laboratory Takarazuka Research Center Sumitomo Chemical Co. Ltd.
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嶺 昭彦
住友化学
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嶺 昭彦
住友化学宝塚研究所
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日野 修徳
住友化学宝塚研究所
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上田 実
住友化学宝塚研究所
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日野 修徳
住友化学工業株式会社農薬研究所
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