コナギ幼植物における胚軸毛の形成様相
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概要
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コナギ種子の発芽後における幼植物の成長と胚軸毛形成の様相について, その本数, 長さ, あるいは根毛との相違点などの観察を行った。蒸留水中および湛水土壌面において発芽したコナギの幼植物に形成される胚軸毛は, 胚軸表皮の縦軸方向3〜4細胞の層から分化したが, 上位(茎葉部側)の細胞層から生じた胚軸毛は主に水平方向に, 下位(根部側)の細胞層から生じた胚軸毛はやや斜め下あるいは垂直下方向に伸長した。休眠覚醒したコナギ種子は, 播種直後から発芽し始め, 6時間後には幼植物に胚軸毛の発生が見られ, その形成本数は幼植物1個体当たり100〜120本程度であった。その最長毛は, 蒸留水中では播種36時間後に約2.0mm, 湛水土壌面では120時間後に約2.5mmの長さにまで伸長した。一方コナギの種子根に生じる根毛は, 播種の36時間後頃から発生が見られ, 最長毛の長さは約1.0mcmであったが, その直径は胚軸毛の場合と同程度であった。コナギの1さく果内の種子の発芽率は約80%で, 1さく果内全粒数の約5%の種子は発芽後の胚軸毛長が1.0mm未満であり, 短かった。
- 1997-11-25
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