Salmonella Enteritidis(SE)ワクチン接種鶏群へのthymulinおよび亜鉛投与により誘導されるSE線毛に対する早期免疫促進応答 : 防御との関連性
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概要
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Thymulinおよび亜鉛をSalmonella enterica serovar Enteritidis(SE)ワクチン接種鶏に投与し, 線毛に対する早期特異液性免疫応答の誘導ならびにSE生菌攻撃に対する防御効果を検討した.2群の鶏に15および19週齡時にSE死菌ワクチンを皮下接種し, 他の2群は非免疫群とした.Thymulinおよび亜鉛を投与したワクチン接種鶏から得たプール血清中に, 他の群と比較し最も早期に(ワクチン接種2週後)SE線毛(約21KDa)特異抗体を検出した.ワクチンのみを接種した鶏群においては, 追加免疫後3週(22週齡)で抗体を検出した.非免疫・免疫促進剤非投与鶏を22週齡時にSE生菌攻撃すると, 攻撃3週後(25週齢)に特異抗体を検出した.ワクチンおよび免疫促進剤を投与した非攻撃対照鶏には抗SE線毛抗体を検出しなかった.免疫促進剤投与により早期抗体応答をみた鶏群は, 生菌攻撃を行った群中最も低いSE盲腸感染率を示し(10%), しかも盲腸扁桃に菌を全く検出しなかった.また, ワクチン接種群においては, 卵管および脾臓にSE感染を認めなかった.これらの実験から, thymulinおよび亜鉛投与は抗SE線毛特異抗体応答を早期に誘導し, 盲腸のSE検出率を低下させるとともに, 盲腸扁桃, 卵管および脾臓におけるSE感染を阻止することが明らかとなった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2000-11-25
著者
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Barbour Elie
Department Of Animal Science Faculty Of Agricultural And Food Sciences American University Of Beirut
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BARBOUR Elie
ベイルート大学アメリカ分校農学食品科学部動物科学科
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BEJJANI Nassif
ベイルート大学アメリカ分校農学食品科学部動物科学科
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DAGHIR Nuhad
ベイルート大学アメリカ分校農学食品科学部動物科学科
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FAROON Obeid
アメリカ合衆国公衆衛生局, 疾病予防センター
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BOULJIHAD Moustafa
ミネソタ大学獣医学部疾病診断講座
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SPASOJEVIC Rady
ミネソタ, SPARBDE社
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Faroon Obeid
United States Public Health Service Centers For Disease Control
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Daghir Nuhad
Department Of Animal Science Faculty Of Agricultural And Food Sciences American University Of Beirut
-
Spasojevic Rady
ミネソタ Sparbde社
-
Bouljihad Moustafa
Veterinary Diagnostic Laboratory School Of Veterinary Medicine University Of Minnesota
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