授乳期ビーグルにおける骨密度の低下を1α-hydroxyvitamin D_3は抑制する
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概要
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授乳中ビーグル母体の骨密度(BMD)の経時変化を二重X線骨塩量定量装置(DXA)を用いて測定し,1α-hydroxyvitamin D_3(1α(OH)D_3)による授乳期BMD変化に対する効果を検討した.2-5歳齢の雌ビーグを用い,腰椎(L2-L4)および脛骨BMDを経時的に測定した.腰椎および脛骨BMD測定時の変動係数は0.5%と良好であり,ビーグルBMDの経時変化をDXAで測定可能を判断した.授乳期間中の対照群腰椎BMDは著明に減少し,離乳と共に交配時のレベルまで回復した.脛骨BMDも腰椎と同様に授乳中に減少が認められたものの,その減少率は腰椎と比較して軽微であった.0.1μg/kgの用量での1α(OH)D_3投与により,授乳期間中の腰椎BMDの低下は抑制され,離乳後の回復も有意に促進されていた.脛骨BMDにおける1α(OH)D_3の効果には,有意差は認められなかった.実験期間中高カルシウム血症や高カルシウム尿症は観察されなかった.以上の結果から,授乳期間中のビーグルBMDの変化はDXAにて経時的測定が可能であり,その変化は海面骨に富む腰椎で顕著であった.1α(OH)D_3は,授乳期ビーグルにおけるBMD低下に対して,BMDの低下抑制と回復促進効果が認められた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
著者
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樋口 義信
中外製薬(株)富士御殿場研究所
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武田 聡
中外製薬(株)富士御殿場研究所
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市川 文彦
中外製薬(株)創薬研究所
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市川 文彦
中外製薬(株)富士御殿場研究所
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片桐 公一
CSKリサーチパーク
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斎藤 敬司
CSKリサーチパーク
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武田 聡
中外製薬(株)
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