クロラムフェニコール, チアンフェニコール, フロルフェニコールの水生動物細菌に対する抗菌効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
スッポン, 魚類, 貝類から分離した水生細菌に対するクロラムフェニコール(CP), チアンフェニコール(TP), フロルフェニコール(FFC)の最小阻止濃度(MIC)を測定して抗菌活性を比較した.上記たんぱく質合成阻害薬の他にアモキシシリン(AMPC), オキシテトラサイクリン(OTC), オキソリン酸(OA)も比較に加えた.スッポンから分離した菌に対するMICはOA>FFC, CP>TP>AMPC, OTCの順であった.耐性株の比率はOA対するものがもっと低く(7.14%), OTCがもっとも高かった(85.07%).魚類からの分離菌に対する抗菌活性はOA>FFC>CP>AMPC>OTC>TPの順であった.耐性株はOAに対するものがもっとも低く(13.64%), OTCに対するものがもっとも高かった(80.91%).貝類からの分離菌に対する抗菌活性はOA>CP, FFC>AMPC, OTC, TPの順であった.TPは耐性株の比率がもっとも高く(58.7%), OAがもっとも低かった(4.35%).スッポン, 魚類, 貝類からの分離菌にもっとも共通した耐性パターンはそれぞれAMPC-OTC, CP-TP-AMPC-OTC, FFC-CP-TP-AMPC-OTCの組み合わせであった.CP, TP, FFC間には耐性分離株に一部, 完全な交差耐性が認められた.これらの知見は, 水生細菌による疾患に用いる薬剤を選択するとき前投与した薬剤が影響することを示唆する.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2000-02-25
著者
-
Wang Way-shyan
台湾
-
Wang W‐s
National Chung‐hsing Univ. Twn
-
Wang Way-shyan
国立中興大學・獣医学系 台湾
-
Ho Shu-peng
国立中興大学・獣医学系
-
Ho S‐p
National Chung‐hsing Univ. Twn
-
Chen Ming-hui
台中市家畜疾病防治所 台湾
-
HSU Tain-Yao
国立中興大学・獣医学系
-
Wang Way-Shyan
国立中興大学・獣医学系
関連論文
- Sarafloxacinをウナギ(Anguilla anguilla)に経口投与したときの体内動態に関する研究
- クロラムフェニコール, チアンフェニコール, フロルフェニコールの水生動物細菌に対する抗菌効果