授乳初・中期の累積飼料摂取量が初産豚の黄体形成ホルモンの分泌と離乳後初発情発現時期へ及ぼす影響
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概要
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分娩後の授乳期飼料の給与量(6kgまたは2kg/日)によって, 12頭の若雌妊娠豚を2区に分けた. 哺乳豚への授乳は21日間とした. 組蛋白18.6%, リジン1.0%, 代謝エネルギー3.27 kcalを含む授乳期飼料を使用した. 末梢血中黄体形成ホルモン(LH)分泌の測定のため, 分娩後12日目に15分間隔で8時問, 母豚から抹血した. グルコースとインシュリン濃度測定のため, 同日に1時間間隔で3回採血した. 分娩後12日目には, 飼料給与量による差がLHパルス頻度に見られた(2.9vs0.7). 回帰分析を用いて解析した結果, 分娩後1日から12日までの累積飼料摂取量は, 12日目の血中インシュリン濃度・LHパルス頻度と正の関係を, 離乳後初回の発情発現までの日数とは負の関係があった. さらに, 授乳12日目のLHパルス頻度はインシュリンの血中濃度と正の相関関係があった. 累積飼料摂取量と離乳後初回発情発現までの日数とのR^2値(相関の強さ)は, 分娩後4日から21日の間に0.24から0.37に増加した. この研究は3週齢離乳における授乳初・中期の飼料摂取量が末梢血中LHパルス頻度に対してすでに分娩後12日目に影響し, 離乳後の発情周期開始までの日数とも関係があることを示唆した. さらに分娩後4日目からの母豚の累積飼料摂取量が, 離乳後の初発情発現までの日数減少に重要であることを示した.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1999-04-25
著者
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