ビーグルの前肢骨の発育に関するX線学的研究
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概要
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自家繁殖した健康なビーグルのべ222頭(雄108, 雌114)を用い, 1日齢から14力月齢まで, 定期的にX線撮影を行い, 前肢の骨の成長を観察した. 骨成長の評価のため, 大和田, Stowの骨年齢評価基準に基づき, 骨幹核, 骨端核の出現, 各骨の特微的形状形成の過程, 骨端の骨幹への融合, 骨端線の閉鎖などについて観察した. また骨の長さおよび体重の増加をも併せ測定した. 手根骨を除く他の骨の骨幹核はすべて1日齢に出現しており, 手根骨の骨核は2力月齢までにすべて出現した. 骨端核の出現は骨によって異なり, 上腕骨頭が1週齢で最も早く, 肩甲骨頭側遠位端, 尺骨遠位端が2力月齢で最も遅かった. 骨端線の閉鎖は, 肩甲骨頭側遠位端が6力月齢で最も早く, 上腕骨頭が14力月齢で最も遅かった. 骨端核の出現は骨により遅速が認められたが, いずれの骨も5力月齢までには, それぞれ固有な形態をとるに至った. 長さは5力月齢まで急速に増加し, その後は緩徐となり, 10力月齢以降はほとんど増加しなかった. 各骨がそれぞれに固有な形態を形成するに至る経過と, 大きさが急速に増加する経過はよく一致した. また骨端線の閉鎖は, 上腕骨頭が最も遅かったが, 主な長骨では大部分が10〜12力月齢で, 14力月齢にはすべて成熟骨に達した.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1980-08-25
著者
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一木 彦三
日本獣医畜産大学
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小儀 昇
日本獣医畜産大学第二家畜外科学教室
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与那嶺 久雄
日本獣医畜産大学第二家畜外科学教室
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石川 俊
日本獣医畜産大学第二家畜外科学教室
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与那嶺 久雄
日本獣医畜産大学獣医学科獣医第二外科学教室
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