アヒル幽門部における内分泌細胞の電顕的研究
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概要
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アヒルの幽門部における内分泌細胞を光学および電子顕微鏡で観察し, 次の所見を得た. 1) 幽門部は筋胃の十二指腸に連なる部位に幅約4mmの輪状帯として認められた. 2) 本部位には多数の内分泌細胞が認められ, これらのすべては好銀性を示した. 3) これらの内分泌細胞を電顕観察による顆粒の形状から, 次の5種に型別した. I型: 直径250〜400nmの球型で, 内容の抜けたような, あるいは雲状や点状の芯を持つ顆粒と, 電子密度の高い内容の充実した顆粒を持つもの. II型: 径100〜200nmの小型球型で有芯の顆粒を持つもの. III型: 短径200〜300nmの小型多型性で有芯の顆粒を持つもの. IV型: 短径200〜400nmと比較的大型で多形性の有芯顆粒を持つもの. V型: 径200〜500nmの大型球型で, 明調帯のほとんどみられない顆粒を持つもの. 4) これら5型の細胞はすべて開放型であると判断した. 5) 型別の判別できた細胞1170個における各型細胞の出現頻度は, I型が最も高くその70%以上を占め, 次にIV型が約16%と高く, 他の型は低頻度であった. 6) これらアヒル幽門部のそれら, および哺乳類消化管のそれらとの形態的異同について論じた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1980-04-25
著者
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