牛乳由来 Staphylococcus の血清学的型別に関する研究 III
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概要
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第II報において, 供試した牛乳由来コアグラーゼ陽性菌株のうち, おもに牛乳性状の差異に基づいて選出した7菌株によって因子血清を作成し, 供試菌の型別を行なった成績を報告した. その際得られた因子血清は, 7菌株中若干の菌株に対して共通の抗体因子を有するものであった. そこで今回は, 供試菌のうち, Oeding の因子血清に全く反応しないもの6株, および同血清に反応するが, それ以外に独自の抗体を所有することが確かめられたもの1株, 計7株を選んで, 抗血清を作成し, これを7菌株で複吸収して得られた因子血清によって, 供試菌の型別を行ない, その抗原因子分布の型を対照菌株群のそれと比較した. その結果を要約すると, 次の通りである. 1. 7種抗血清を当該菌株以外の菌株で1〜2回吸収することによって, 当該菌株のみに反応する5つの因子血情(II)が得られた. 2. この5種因子血清をもって, 牛乳由来コアグラーゼ陽性菌162株の型別を行なった. その結果, 162株中152株(93.8%)がA群よりF群に至る6群に分けられた. また各群は, それぞれさらに若干の型に細分することができた. 3. 牛乳由来コアグラーゼ陽性菌株の抗原因子型は, 牛乳由来コアグラーゼ陰性菌株および家畜由来菌株のそれに比較して, 著しく異なることが認められた. 4. 両種の因子血清(I)および(II)による型別の成績を比較した. その結果から, 両者の間には関連があるものと考えられる.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1963-10-25
著者
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