家畜血清蛋白に関する濾紙電気泳動学的研究 : II. 健康犬血清蛋白分屑の正常値および生理的変動
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概要
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濾紙電気泳動法を家畜の臨床面に応用するための基礎的資料を得る目的から, 諸種の臨床検査の結果, 健康と判定した多数例の牛・馬・豚・緬羊・山羊・犬・猫および家兎について, 同一の泳動条件下に血清蛋白の濾紙電気泳動分析を実施した. その成績は, いずれも平均値をもって示した. この研究の前半においては, 健康家畜の血清蛋白の"正常値"に関して, 文献的考察を試みるとともに, 年令による変動を検討した. その結果, 幼若動物と成熟動物との間に差があることを認め, また同一種の中でも, 品種によって若干の差異がみられることを明らかにした. さらに後半では, 犬の"正常値"の概念を明確にするため, 発育および年令の増加にともなう血清蛋白の動態を精細に検討するとともに, 品種・性・飼養条件・日差・運動ならびに妊娠・分娩の影響について検索した. その結果,末梢血中の microfilaria が陰性で, 臨床上健康と認められる雑種犬多数の平均値を, 一応, 健康犬の"正常値"と見なして差支えないことを知った. 稿を終わるに当たり, 終始懇篤な御指導と御校閲を賜わった大越伸教授に衷心より謝意を表する. また, 実験遂行上, 絶大な援助をいただいた内科教室員各位に深謝する. さらに, 材料の採取に種々便宜を与えられた関係各位に厚く御礼申し上げる.
- 1963-02-25
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