農家導入後に血清中ビタミンA値が顕著に減少した黒毛和種肥育去勢牛 (短報)
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概要
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黒毛和種肥育去勢牛5例を導入したところ7日目に4例で血清中ビタミンA値が顕著に減少したので報告する. 去勢牛を導入した農家は低事故・高生産であり, 必要量以上のビタミンAを含む飼料が給与された. 農家の飼養法および飼養環境は適正であった. 導入時の血液検査の結果, 導入去勢牛の健康状態および栄養状態は良好であった. 導入時に臨床的に健常であった去勢牛は, 導入後2日目に, 軽度の気管支炎, 導入後10日目に, 軽度の下痢を発症し, 導入後2日目と10日目に, 軽度の飼料摂取量の低下を示した. また, 血清中ビタミンA値は正常であった. 以上のことから, 導入後7日目に5例中4例でみられた血清中ビタミンA値の顕著な低下は, ビタミンA摂取量の減少よりむしろ導入後のストレスによるビタミンA消費の増加に起因することが示唆された.
- 1998-01-25
著者
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有川 彰信
宮崎県農業共済組合連合会
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野村 祐資
宮崎県農業共済組合連合会家畜臨床研修センター
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足立 幸蔵
宮崎県農業共済組合連合会家畜臨床研修センター
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福元 薫
西諸農業共済組合えびの家畜診療所
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桂 のり子
宮崎県農業共済組合連合会家畜臨床研修センター
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辻 厚史
宮崎県農業共済組合連合会家畜臨床研修センター
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鬼丸 利久
宮崎県農業共済組合連合会家畜臨床研修センター
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