乳牛の創傷性胃炎における病型別血清蛋白, 血清蛋白分画および血清無機物濃度
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概要
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創傷性胃炎牛を亜急性限局性炎, 慢性炎, および急性瀰慢性炎の3病型に分類し, 血清中の蛋白濃度, セルロースアセテート膜電気泳動法による蛋白分画濃度および無機物濃度の診断的価値について検討した。3病型に共通して, 健康牛に比較してアルブミン濃度の減少とαおよびβグロブリン濃度の増加がみられ, さらに各病型に次のような特徴がみられた。亜急性限局性炎例は高蛋白血症を示し, アルブミン濃度の減少は最も軽度で, αグロブリン峰は鋭角性に乏しくドーム状を示す傾向がみられ, βグロブリンについては相対易動度が増加し, 濃度増加は最も顕著であったが, γグロブリン濃度の増加は軽度であった。慢性炎例は最も重度の低アルブミン血症を示し, 完全あるいは不完全なβーγ架橋現象を伴う顕著な高γグロブリン血症がみられた。急性瀰漫性炎例は低蛋白血症, 低カリウム血症および高燐酸血症を示した。
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1986-12-15
著者
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