ウマ盲腸細菌の飼料植物細胞壁への付着
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概要
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ウマ盲腸細菌の飼料あるいは牧草細胞壁への付着および各種植物組織の分解について透過電顕的に観察した。植物細胞壁を分解する, 形態学的に異なる盲腸細菌の付着のしかたは異なっていた。球菌は莢膜様物質を介して付着するようにみえた。多くの桿菌および球菌は少量の線維性または粘液状の細胞外物質を介して付着しているようであったが, 一部の桿菌には細胞外物質はみとめられなかった。他の桿菌はその形態を植物細胞壁の形態に合致させるように付着していた。盲腸細菌はTrifolium属あるいは Agropirum属植物の葉およびウマ盲腸から採取した藁をさまざまの様式で分解していた。細菌は葉肉細胞あるいはこれら細胞間において大規模に集落を形成した。細菌は厚膜細胞および本質部維管束組織の木化した厚い壁にも付着していた。腐蝕域に付着あるいは近接して細菌(球菌および桿菌)が位置することから, 細胞外酵素の作用が示唆された。木化組織分解能をもつ盲腸細菌の存在は, これまで知られていなかった盲腸の生態系における重要な生化学的機能を表現するものであった。
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1986-04-15
著者
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