家畜における超音波映像診断に関する研究 : 超音波心臓断層法およびM-モード心エコー法について
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概要
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正常な牛, 馬, 山羊および犬における超音波心臓断層法 (リニア走査法) ならびにM-モード心エコー法が, その臨床応用に必要な基礎的資料を得る目的で検討された。超音波ビームが透過可能な, いわゆる cardiac window は, 牛, 山羊, 犬では左・右第3・4に肪間隙の肘頭付近に, 馬では第4・5肋間隙の肘頭背側に限定された。両法により, 心臓の各弁膜, 腔, 壁の同定およびその形態ならびに動態観察が可能であった。特に牛, 馬では, 肋骨のため心臓の横断像が観察不可能ながらも, 実時間超音波心臓断層法により, 心内構築の形態および動態の映像化が比較的容易であり, また M-モード心エコー法用プローブの走査部位ならびに方向の選択が容易であった。しかし, 各弁膜の典型的なM-モード心エコー図は, 心室の心エコー図ほど容易には得られず, とくに牛では心骨が僧帽弁おび大動脈弁の描出に影響を与えていると思われた。各構築が得られる走査部位から心臓の長軸断層像を観察し, その断層像にもとついてプローブを操作すると, 容易に目的とする心内構築のM-モード心エコー図が得られた。
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1984-08-15
著者
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