家畜における超音波映像診断に関する研究 : 腹部臓器および胎仔についての基礎的検討
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概要
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健康な牛・馬・山羊・犬の腹部臓器ならびに胎仔を超音波断層法により映像化した。1)肝・胆嚢 : 牛・山羊の肝臓は右側第8〜11肋間隙肩端線位腹側で映像化された。犬では肋骨弓下走査により肝臓の明瞭な超音波断層像が得られたが, 馬の肝臓では, 実質辺縁のみが観察された。牛・山羊・犬においては, 肝実質, 門脈, 肝静脈ならびに胆嚢は, 各々特徴的なエコーパターンを示したが, 胆管像は不明瞭であった。 2) 脾臓: 各動物種とも, 脾臓の超音波断層像は左側後位肋間隙にて得られ, 馬・犬では, 嫌部においても得られた。全動物種において, 脾臓は低レベルのエコーパターンを示した。 3) 腎臓: 牛・山羊の両側腎臓は, 右側嫌部で映像化され, 右腎は第12肋間隙でも観察された。馬・犬では後位肋間隙ならびに嫌部で映像化された。全動物種において, 腎臓エコーは腎皮質を示す低レベルエコーパターン, 髄質を表わすエコーフリーパターン, 腎盂炎を示す高レベルエコーパターンから構成されていた。 4) 胎仔: 牛・山羊・犬の中腹部または嫌部における経皮的走査により, 脂汗ならびにその各臓器が映像化された。実時間超音波断層法により, 胎動ならびに胎仔心臓拍動が捕捉された。
- 1984-04-01
著者
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