フラゾリドン連続投与のヘキソバルビタール及びゾキサゾラミンによる正向反射抑制持続時間に対する作用
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概要
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フラゾリドン(FZ)のヘキソバルビタールによる睡眠時間(HST)及びゾキサゾラミンによる麻痺時間(ZPT)に対する影響を, FZを1日当り50, 100, 200及び400mg/kg 4日間連続経口投与したラットの両薬物による正向反射消失時間を指標として検討した. ヘキソバルビタールによるHSTは, 雌雄ラットのFZの50mg/kg投与によっては変化せず, 1OOmg/kg以上の投与群では投与量にほぼ依存して延長した. また対照群における雌ラットのHSTは雄の約2倍であったが, FZの200mg/kg以上の投与群では性差が見られなくなった. ゾキサゾラミンによるZPTは, 対照群において性差を示さず, 100mg/kg以上の投与量で有意に延長した. ヘキソバルビタールとゾキサゾラミンによる正向反射消失からの回復直後における両薬物の血中濃度は, 対照群とFZ投与群との間で差が認められなかった. このことはFZによる両薬物の作用持続時間延長作用が両薬物の作用部位の感受性の変化よりも血中濃度に依存していることを示唆している. またFZの100mg/kg以上の投与量で体重増加抑制作用がみられ, FZの100mg/kg投与時には肝ミクロゾームの中のチトクロムP-450量の僅かな増加が認められた. 以上のことからFZの高用量連続経口投与はラットにおいて薬物のクリアランスの阻害を起こさせその結果HSTとZPTの延長を引き起こすことが示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1994-08-15