ニホンジカの気管支分岐, 肺葉区分, 肺動・静脈分布
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概要
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ニホンジカ(Servus nippon)の肺の気管支分岐と肺葉の関係を明らかにし, さらに肺動・静脈分布について調べた. ニホンジカでは左右の気管支から葉気管支および区域気管支が立体的に起こる. これらは起点から背側気管支系, 腹側気管支系, 内側気管支系および外側気管支系の4気管支系に大別できる. 右肺の前葉は気管の外側から起こる気管の気管支によって形成される. 中葉は外側気管支系の第1枝で形成され, 副葉は腹側気管支系の第1枝で形成される. それ以外の背側気管支系, 外側気管支系, 腹側気管支系および内側気管支系の気管支は右肺の後葉を形成する. 左肺では前葉気管支を欠除する. その代わり外側気管支系の第1枝がよく発達して2枝に分れ, それぞれ肺葉を形成する. これら2葉が左肺の中葉である. 残りの外側気管支系の気管支と背側気管支系, 腹側気管支系および内側気管支系の気管支は左肺の後葉を形成する. すなわち右肺は前葉, 中葉, 後葉および副葉から成り, 左肺は2葉に分れた中葉と後葉から成る. 肺動脈は主として4気管支系の気管支の背側または外側に沿って走る. 肺静脈は主として4気管支系の気管支の腹側または内側で, しかもそれらの間を走る.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1993-06-15
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