ハクビシンの肺の気管支分岐, 肺区域, 肺動・静脈分布
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概要
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「哺乳類の肺の気管支分岐の基本型」(中久喜, 1975, 1980)に基づきハクビシン(Paguma larvata)の肺の気管支分岐と肺葉の関係を明らかにし, さらに肺動・静脈分布について調べた. ハクビシンの肺は左右の気管支から葉気管支および区域気管支が起こる. これらの気管支は起点から背側気管支系, 外側気管支系, 腹側気管支系および内側気管支系に大別できる. 右前葉気管支は気管の外側から起こる気管支, いわゆる気管の気管支で形成される. しかし, この気管支は反芻類家畜およびブタの前葉気管支には相当せず, 「哺乳類の肺の気管支分岐の基本型」の背側気管支系の第1枝, すなわち, ウマやイヌなどの右前葉気管支に相当し, 気管分岐部が後方であるため気管の外側から起こるようになったと考えられる. 右中葉は外側気管支系の第1枝で形成され, 副葉は腹側気管支系の第1枝で形成される. それ以外の背側気管支系, 外側気管支系, 腹側気管支系および内側気管支系の気管支は右後葉を形成する. 左肺では左前葉気管支を欠除する. そのため, 外側気管支系の第1枝, すなわち, 左中葉気管支は2枝にわかれ, それぞれ肺葉を形成する. それ以外の4気管支系の気管支は左後葉を形成する. 右肺動脈は右前葉気管支の腹側を通り, 右中葉気管支の背側を越えて右気管支の背外側に沿って後方に走る. その経過中, 4気管支系の各気管支の背側または外側に沿って走る肺動脈枝を分枝する. 左肺動脈は左中葉気管支の背側を越えて右肺の場合と同様に分布する. 肺静脈はおもに4気管支系の気管支の内側または腹側を走る.
- 1993-06-15
著者
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