Chlormadinone acetate含有ペレット剤の皮下移植による犬の発情阻止効果
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概要
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Chlormadinone acetate (CAP)含有ペレット剤の皮下移植による犬の発情阻止法について, 有効性と臨床上の安全性を検討した. まず雌犬19頭を2.5, 5, 10および25mg/kgの4用量群に分けて, 24ヵ月間の発情阻止効果を調べた. その結果, 2.5mg/kgでは13ヵ月までに5頭全頭に発情が回帰し, 5mg/kgでは13ヵ月以降に5頭中3頭に発情が回帰したが, 10mg/kg以上では発情の回帰は認められず, 少なくとも24ヵ月間発情が阻止された. 発情阻止期間中の血中プロジェステロン濃度は低値に推移し, CAP移植による発情阻止効果と密接な関連性を示した. 副作用として, 10mg/kg以上で体重の僅かな増加傾向を認めた以外, 何ら異常は認められなかった. 次に他の雌犬6頭を用いて, 10〜30mg/kgを移植後, ペレット剤を摘出し, 発情の回帰性と摘出ペレット剤のCAP残存量を調べた. その結果, 30mg/kg移植犬においても発情の回帰が認められた. また血中CAP濃度の推移および摘出ペレット剤のCAP残存量から, ペレット剤からのCAPの持続的溶出が証明された. さらに発情を阻止する最小有効血中濃度として0.7ng/mlが推定された. 以上のことから, 本法は長期間にわたる犬の発情阻止に有効かつ臨床上安全であることが確認された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1993-06-15
著者
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