セスジネズミ (Apodemus agrarius) の胃に自然発生したカルチノイド腫瘍 (短報)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
135例のセスジネズミ (Apodemus agrarius) のうち7例の胃に, 通常の病理組織検索でカルチノイド腫瘍が見つかった. ずべてのカルチノイド腫瘍は72から100週齢の成熟セスジネズミに発生し, 6例が雌, 1例が雄であった. 腫瘤が肉眼で認められたのは7例中2例のみで, 腺胃の胃底部に位置していた. 7例すべての胃の腫瘤は単発性で, 2例では胃以外へ転移していた. 全例の腫瘍は円形あるいは多角形細胞の密なシート状配列から成り, 繊細な線維-血管性間質によって分割されていた. 全例の腫瘍細胞は細胞質内にグリメリウスおよびSevier-Munger染色によって染まる銀好性顆粒を含み, 腫瘍細胞は神経特異性エノラーゼ陽性であった. 5例の胃カルチノイドでは同心円状の石灰化砂粒体psammoma bodyが特徴的であった. 肝細胞腫が1例に, 肝細胞癌が2例に認められた. 本論文がセスジネズミの胃における自然発生カルチノイド腫瘍の最初の記載である.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1997-08-25
著者
-
Chae Chanhee
ソウル大学獣医学部獣医病理学教室
-
Chae Chanhee
韓国
-
Oh Se-woong
ソウル大学獣医学部獣医病理学教室
-
Jang Dongdeuk
Korea Food and Drug Administration
関連論文
- 3週齢豚の回腸パイエル氏板粘膜表面のレクチン組織化学的特徴 (短報)
- 多重PCRによる豚サコウイルスおよび豚パルボウイルスの豚精液からの同時検出(短報)(ウイルス学)
- セスジネズミ (Apodemus agrarius) の胃に自然発生したカルチノイド腫瘍 (短報)