Haemophilus parasuis感染症の急性敗血症におけるエンドトキシンの病原性に対する影響
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概要
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Haemophilus parasuisを気管内に接種されたSPF豚について血液中のエンドトキシン検出, 血液凝固系および血球検査を実施した. 接種豚全頭が接種後28から42時間までに死亡した. 血液検査では, 白血球および血糖の減少が24時間後から死亡時までみられた. 凝固系では血小板の減少, プロトロンビン・活性化部分トロンボプラスチン時間の延長およびフィブリン分解産物の増加が観察された. エンドトキシンは, 16時間目から死亡時まで検出され, 死亡時には急激に上昇していた. H. parasuisは接種後16時間目から死亡時まで血液中から回収されるとともに, 死亡豚の臓器からも純培養的に分離された. 病理組織学的検査では, 腎・肝・肺の微小血栓形成, 肺炎, 髄膜炎および奨膜炎がみられ, 病巣には菌抗原が認められた. これらのことから, H. parasuis感染症の急性敗血症ではエンドトキシンによる播種性血管内凝固およびショックが症状の悪化と死亡に関与しているものと考察された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1997-06-25
著者
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高橋 欣也
(財) 日本生物科学研究所
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柴田 昌利
静岡県家畜衛生研究所
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天野 弘
静岡県家畜衛生研究所
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高橋 欣也
(財)日本生物科学研究所
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佐々木 [ヨシ]英
岐阜大学農学部家畜内科学講座
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佐々木 英
岐阜大学農学部家畜内科学講座
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