ダムの事故とその考え方
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本文は1977年1月, アーヘン工科大学に西ドイツ, アメリカ合衆国の研究者が一堂に会して開催されたダム水理学に関するセミナーの冒頭で, Rouveにより講演された原文を高木が抄訳の形でとりまとめたものである。まず, 古代国家よりのダムおよびその災害にまつわる史実やダムの経済的位置づけを概観し, 次いでダムの安全性と関連して, 1900年以前に築かれたダムの90%以上が安定であったのは, 当時は外力を見積もる知識がなかったので, 10〜15の安全率に相当する過度の設計がなされたためであったと述べている。また, 諸大陸のダム損傷例300を分析し, その原因となる事柄を六つの区分, すなわち水理学・水文学, 土質力学・地質学, 設計・建設施工技術, 操作・維持管理, 環境, その他, に分類したうえで, 各項目別の事故発生率や注意点が要約されている。更に, ダムのタイプ別にみた損傷件数, あるいは1830年来建設されたダムについて, 損傷例の数とその頻度, 大陸ごとの分類などが示されている。最後に, 当初の5〜6年に十分な監視体制を敷けば, ダムは決して危険なものではないと結んでいる。
- 1982-06-15
著者
関連論文
- ダムの事故とその考え方
- ゼードラチェック先生のこと : 戦後の圧延技術進歩のエピソード
- 底面境界層に起因する潮汐残差流の生成構造
- 潮汐波の水粒子速度計測のための差温式微流速計
- 低平地流出過程における貯留関数について〔英文〕
- 低平地域における流出特性について〔英文〕
- 出水時における土砂の浮遊実体--長良川を例として
- 地下水流出の流域における特性変化と場所的スケ-ル
- 流出現象の平均化過程に及ぼす地形特性の影響
- 河道水と土壌水の化学的情報を用いた斜面規模の流出経路の検討
- 飽和多孔体中の分散現象への混合距離的アプローチと粒径の影響
- 不飽和浸透理論に基づく斜面流出モデルの集中化について
- 修正RRL法の物理的意味とその適用性について
- 流域内での流出特性の平均化過程と流出モデル
- 遅い中間流出・地下水流出の非線形性について
- 流域水の挙動に関する変分原理の実用化と問題点
- O-301 名古屋をめぐる河川と運河
- 山地河川における河谷堆積層への伏流過程と河道流況の変化に関する研究
- 不均質帯水層における透水試験結果の不確定性
- 砂粒子を含んだ鉛直上方噴流での乱流シュミット数
- 不均質場における降雨時の不圧地下水位の確率応答特性
- 不均質場における降雨後の不圧地下水状態の統計的評価
- 小牧東部丘陵地における地下水位の変動特性に関する一考察
- 地下水流動に関するシミュレ-ョンの誤差構造とその確率的評価
- 2相流としての不飽和鉛直浸透解析
- 流域水の挙動に関する変分原理の物理的意義
- 変分法による流域水の挙動に関する研究〔英文〕
- 砂柱における鉛直浸透の機構に関する研究
- 低水流出の低減特性に関する研究