断層粘土中の石英粒子の表面構造
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概要
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断層および破砕帯の活動性の評価においては, まずその断層および破砕帯の最終活動時期を知る必要がある。現在, この活動時期を決定する方法として, ^<14>C法, フィッション・トラック法などがあるが, いずれも限られた物質にしか含まれない放射性同位元素を測定対象とするため, すべての場合にこれらの方法を適用することは困難である。そこで, 筆者らは, 最終活動時期を推定するための新たな手法として, 断層粘土中に普遍的に存在する石英粒子の微細な表面構造に着目し, その特性により断層および破砕帯の活動時期を推定する方法を検討している。すなわち, 全国の著名な断層から採取してきた断層粘土に含まれる石英粒子を電子顕微鏡で観察し, 粒子表面のなめらかさや起状の程度などから4段階に分類し, より複雑な表面構造をもつものほど地質年代の古いものであることを明らかにしている。更に, 断層粘土中の石英粒子の微細な表面構造を観察することにより, 断層の活動時期をある程度のオーダーで決定しうる見通しを得ている。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1981-03-15
著者
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