広島県における斜面崩壊について : 昭和47年7月集中豪雨災害
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概要
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この報文は昭和47年7月の集中豪雨の際, 発生した広島県内の災害のうち, 特に斜面崩壊について述べたものである。斜面崩壊と素因, 誘因との関係を厳密に議論することは, 完全なデータ収集に制限があるとして基盤地質, 総雨量との関係だけがとりあげられている。従来広島県内での災害といえば, まさ土地帯でのものが多く発生している。これはまさ土自体の種々の性質が特殊であり, さらに人口密集地域(瀬戸内海沿岸部)がほとんどこのまさ土地帯に位置していることによるものである。しかし, 今回の災害では, 特に県北地方で雨量が多かったため, まさ土地帯以外の地域でも災害が多く発生している。したがって, いままであまり注意が払われなかったところに斜面崩壊が発生し, 重大な被害を生み出したことが特徴として挙げられている。そこで本報文では将来の斜面崩壊を予測するうえで教訓となるような斜面崩壊を4箇所(赤羽地区, 若尾地区, 亀谷地区, 赤井谷地区)選び, 報告している。斜面崩壊箇所を調査, 視察して, 崩壊した場所に多くの共通点があることを見出している。特に, 地質的条件として地盤の強度が著しく低下していたと思われること, あるいは地形的条件と組み合わさって雨水がある特定の地域に集中していた点が強調されている。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1978-09-15
著者
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