地盤振動解析のための土の動的性質 : 関東ロームの動的性質

概要

論文の詳細を見る
地震時における地盤と建物の相互作用に対する有効な解析手法を確立するために最も重要な地盤の減衰特性をは握することを目的として行なっている一連の動的セン断試験のうち, 関東ロームの静的繰返し試験, 動的繰返し試験およびランダム波による実験の結果について述べた。各実験結果の応力-ヒズミ関係はよく近似していて強度もほぼ等しい。弾性限界点はセン断ヒズミ度で示すと、0.02〜0.03%の範囲内にあり, 関東ロームはチュウ積粘土の資料と比較してより弾性的である。ヒズミ度振幅と一定(0.04〜0.08%)にして振動数を変化させた場合にはよく似たヒステリシスループの形状となるが, 振動数を一定(1.0Hz)にしてヒズミ度振幅を増大させるとループの形状は変化し, ヒズミ度振幅が土の動力学的性質の最も重要な因子であることを示している。ヒステリシスループの面積と仕事エネルギーの比から求められる減衰定数は, 静的, 動的試験による差がわずかであることから, 土の減衰特性は履歴減衰が支配的であり, 粘性減衰は微小であることがわかる。
1978-03-15