動的解析の展望
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概要
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現在, 地盤の動的解析は振動学からのアプローチと土質サイドからのものとがある。前者によるものは, 論文数は圧倒的に多いのであるが, ほとんどが実際の地盤や土の特性をとり込んでいない。後者によるものは, 土の特性に関する基礎的な実験資料の蓄積が不十分なために, まだはかばかしくない。地盤の動的特性のうちで最も重要なのは動的セン断剛性とその減衰性である。この二つはいずれも極端なヒズミ依存性があり, このヒズミ依存性こそ, 動的解析における地盤の特質である。この特質を認識し, その基礎的な資料の十分な蓄積の上に立って, 実用的な解析方法を開発することが現在最も必要とされるところである。ここでは, 地盤の動的セン断剛性, 地盤の減衰性, および解析の体系の現在の知識を筆者の意見を交えて述べている。また, 動的相互作用の問題も重要な問題であるが, まだ地盤そのものの基本的性質が明確にされていないかぎり, アプローチの優劣を論じるのは早計であり, なによりも, 土の動的性質に関する基礎的資料の蓄積が問題解決への近道であるとしている。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1976-06-15
著者
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